マゼランペンギンの特徴、生態、生息地、名前の由来について解説します。マゼランペンギンは比較的暖かい地域に住んでいるペンギンなので、人間の環境にも適応しやすく、飼育している方もいるようです。マゼランペンギンについて詳しく解説をしていきます。
マゼランペンギンの基本情報について
マゼランペンギンはフンボルトペンギン属(ケープペンギン属)に属する鳥類。別名はパタゴニアペンギンなどとも言われます。学名はSpheniscus magellanicus。体長は70cmくらいあって南アメリカの南部のアルゼンチンやチリなどの海岸の近くでこの種を見つけることができます。
| Japanese(和名) | マゼランペンギン、パタゴニアペンギン |
| English(英名) | Magellanic penguin |
| scientific name(学名) | Spheniscus magellanicus |
| classification(分類) | Sphenisciformes, Spheniscidae, Spheniscus ペンギン目ペンギン科ケープペンギン属 |
| IUCN Status(保全状況) | LEAST CONCERN |
| Height(身長) | 70cm |
| Weight(体重) | 2-5kg |
マゼランペンギンのルーツ、起源は?
マゼランペンギン は、南アメリカ南部に生息するペンギンで、アルゼンチンやチリの沿岸、フォークランド諸島などに大規模な繁殖地を持っています。
名前の由来
マゼランペンギンの名前は、16世紀の探検家 フェルディナンド・マゼラン に由来します。
1520年、マゼラン率いる船団が南米南端付近を航海した際、このペンギンが記録されたことから名付けられました。
ペンギンの祖先
現在の研究では、ペンギンの祖先は約6,000万年前、恐竜絶滅後の南半球で進化した飛べない海鳥と考えられています。
最古級のペンギン化石は、
- ニュージーランド
- 南極
などで発見されています。
マゼランペンギンの系統
マゼランペンギンは「バンドペンギン属(Spheniscus属)」に属します。
近縁種には、
- フンボルトペンギン
- アフリカペンギン
- ガラパゴスペンギン
がいます。
なぜ南米南部にいるの?
マゼランペンギンは、
- アルゼンチン
- チリ
- フォークランド諸島
などの冷涼な海域に生息しています。
この地域では、
- フォークランド海流
- フンボルト海流
の影響で魚が豊富に集まるため、ペンギンに適した環境が形成されています。

分類はどうなるの?名前の由来は?
マゼランペンギンはフンボルトペンギン属(ケープペンギン属)で4種の仲間がいます。ただケープペンギン属のペンギンはどれも似ているためなかなか見分けがつかないという問題があります。そのため一部の学者ではこれらを同種とする説があります。名前の由来はポルトガルの航海者、フェルディナンド・マゼランからきています。彼がこの地域を渡航している時にこのペンギンが発見され、マゼランペンギンと名付けられたのです。
| 名前:Name | 属名:Group | 生息地:habit |
| ガラパゴスペンギン(Galapagos Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | ガラパゴス諸島 galapagos islands |
| ケープペンギン(African Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | 南アフリカ South Africa |
| フンボルトペンギン(Humboldt Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | チリ Chile |
| マゼランペンギン(Magellanic Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | 南アメリカ太平洋岸 south america pacific coast |
分類
- 界 (Kingdom): Animalia(動物界)
- 門 (Phylum): Chordata(脊索動物門)
- 綱 (Class): Aves(鳥綱)
- 目 (Order): Sphenisciformes(ペンギン目)
- 科 (Family): Spheniscidae(ペンギン科)
- 属 (Genus): Spheniscus(フンボルトペンギン属)
- 種 (Species): Spheniscus magellanicus(マゼランペンギン)
マゼランペンギンの生息地について
マゼランペンギンはアルゼンチンからチリと海岸線に沿って生息をしています。まれな発見例としてオーストラリアやニュージーランドに迷い込んでしまうケースも発見されています。
1. 地理的分布
- 場所:南米南端沿岸
- 具体的な分布地域:
- アルゼンチン南部沿岸(パタゴニア地方)
- チリ南部沿岸の島々
- フォークランド諸島(マルビナス諸島)周辺
- 季節によって南北移動(繁殖期は南端沿岸、非繁殖期は北上して移動)
2. 生息環境
- 岩礁や砂浜、島の洞窟・巣穴に巣を作る
- 海岸線の近くで餌を捕りやすい環境を選ぶ
- 海に近い場所で繁殖し、陸上では群れで生活
3. 生態的特徴
- 冷たい海流(マゼラン海流やフンボルト海流の影響)に依存
- 群れで生活し、協力して餌を探す
- 餌の量や水温によって繁殖や個体数が影響される
特徴は?どんな感じの生物なのか?
マゼランペンギンは嘴の色彩は黒く、先端は黄白色になっています。肢は黒く胸に2本の黒い帯があるのが最大の特徴です。マゼランペンギンはコロニーを形成して海を泳いでいく渡り鳥です。4月頃にパタゴニア、フォークランド諸島の海岸で繁殖し、ペルーやブラジルの中部沿岸まで北上し、その後に帰っていきます。採取できる餌の取れる時期に合わせて移動します。
1. 体の特徴
- 体長:約61〜76 cm
- 体重:約2.7〜6.5 kg
- 体型:中型でずんぐりした体型
- 羽毛・模様:
- 背中は黒、腹は白
- 胸に2本の黒帯模様がある
- 頭部は白と黒の独特な斑紋
- くちばし:中くらいの長さで頑丈、魚を捕るのに適応
2. 行動・動作
- 水中での泳ぎが俊敏で、小魚やイカを追いかける
- 陸上ではヨチヨチ歩き、群れで生活
- 繁殖期にはペアで巣作りし、協力してヒナを育てる
3. 食性
- 主食は小魚(イワシ、アンチョビなど)
- イカや甲殻類も食べる
- 餌の量や種類は季節や海流の変動に影響される
4. 繁殖・寿命
- 年に1〜2回繁殖
- 岩陰や巣穴に1〜2個の卵を産む
- 両親で交代して抱卵・育雛
- 野生での寿命は約10〜15年
5. 性格・行動の特徴
- 群れで協力して餌を取る社会性が高い
- 水中では俊敏で活発、陸上では警戒心がある
- 繁殖期には巣やヒナを守るため、縄張り意識を示す

性格はどんな感じになるのか?
フンボルトペンギン属の性格は全体的に同じ傾向にあり、思慮深いところがあります個体によっては近づいてくることもあります。
1. 社会性
- 群れで生活することが多く、協力して餌を探す
- 繁殖期にはペアや小規模な群れで巣作りを行う
2. 警戒心
- 陸上では警戒心があり、人間や捕食者には慎重
- 海中では俊敏で、危険を察知すると素早く逃げる
3. 活発さ
- 水中での狩りは非常に活発で機敏
- 魚を追いかける姿は遊ぶように見えることもある
- 陸上ではヨチヨチ歩きで、動きはゆっくり
4. 頑固さ・独立性
- 繁殖期には巣やヒナを守るため、縄張り意識を示す
- それ以外では協調的で、群れに従うことが多い
5. 人間から見た印象
- 陸上では可愛らしいヨチヨチ歩き
- 海中では俊敏で活発
- 性格的には好奇心がありつつも用心深い
マゼランペンギンの生態は?
マゼランペンギンは他のペンギンと同様、魚や甲殻類を食べて生活します。繁殖期は攻撃的になり、自分の巣の近くに別のオスがいると即座に喧嘩をします。くちばして咬みついたりフリッパーで叩いたりして重傷を負うこともあります。9月に繁殖をして2個の卵を産みます。寿命は15年程度とされます。
1. 生息環境
- 場所:南米南端沿岸(アルゼンチン南部、チリ南部、フォークランド諸島周辺)
- 環境条件:
- 岩礁や砂浜、島の洞窟・巣穴に巣を作る
- 海に近い場所を好み、魚を捕りやすい環境を選ぶ
- 繁殖期と非繁殖期で北南移動することもある
2. 食性
- 主食:小魚(イワシ、アンチョビなど)、イカ、甲殻類
- 狩り方:海中で潜水して追いかけて捕食
- 餌の量や種類は季節や海流の変動に影響される
3. 繁殖
- 年に1〜2回繁殖
- 岩陰や巣穴に1〜2個の卵を産む
- 両親で交代して抱卵・育雛
- ヒナは数週間で巣立ち、親から泳ぎ方や餌の取り方を学ぶ
4. 行動
- 群れで生活し、協力して餌を探す
- 陸上ではヨチヨチ歩き、水中では俊敏に泳ぐ
- 繁殖期には巣やヒナを守るため、縄張り意識を示す
5. 寿命
- 野生で約 10〜15年
- 餌の量や天敵、海流の変動によって生存率が変わる
マゼランペンギンの天敵は?
マゼランペンギンの天敵はオオミズナギドリやトウゾクカモメとなり、特に卵やヒナが良く狙われてしまいます。

マゼランペンギンの換羽
マゼランペンギン は、年に1回、全身の羽毛を一斉に生え替える**完全換羽(かんう)**を行います。
ペンギンにとって羽毛は、
- 防水
- 保温
- 浮力の調整
という重要な役割を担っています。
そのため、傷んだ羽毛を定期的に新しくする必要があります。
換羽前
繁殖期が終わると、マゼランペンギンは海で盛んに餌を食べます。
主な目的は、
- 脂肪を蓄える
- 体重を増やす
- 換羽中の絶食に備える
ことです。
換羽前の個体は一年で最も体重が重くなります。
換羽中
換羽が始まると陸上にとどまります。
期間は一般的に、
- 約2〜4週間
です。
この間は、
- 羽毛が大量に抜ける
- 防水性が失われる
- 海に入れない
- 魚を捕れない
ため、ほぼ絶食状態になります。
なぜ海に入れない?
換羽中は羽毛が不完全な状態になるため、
- 体温を維持できない
- 防水機能が働かない
という問題が起こります。
そのため、新しい羽毛が生えそろうまで陸上で過ごします。
換羽後
換羽が終わると、
- 新しい羽毛が完成
- 防水性が回復
- 保温力が向上
し、再び海へ出て採餌を始めます。
絶食で失った体重を取り戻すため、しばらくは活発に餌を探します。
マゼランペンギンの潜水
マゼランペンギン は、南アメリカ南部の海で暮らす優秀なダイバーです。魚やイカを追って潜水し、繁殖期には毎日何十回も潜って餌を探します。
潜水の深さ
通常の採餌では、
- 20〜50m程度
- 50〜80mの潜水も珍しくない
- 深い場合は100m以上
まで潜ることがあります。
記録では150mを超える潜水例も報告されています。
潜水時間
一般的には、
- 約1〜3分
- 長い場合は4分以上
潜ることがあります。
潜水後は短時間だけ水面で呼吸し、再び潜ることを繰り返します。
泳ぐ速さ
海中では翼を使って推進し、
- 通常:時速6〜10km程度
- 獲物を追う時:時速20km近く
に達することがあります。
まるで水中を飛んでいるような泳ぎ方をします。

マゼランペンギンの鳴き声
マゼランペンギン は、バンドペンギン属の中でも比較的よく鳴く種類で、コロニー(繁殖地)では常に声が飛び交っています。
どんな鳴き声?
代表的には、
- 「アーオー、アーオー」
- 「ホォー、ホォー」
- 「グァー、グァー」
- 「クワッ、クワッ」
のような、低くて少ししゃがれた声で鳴きます。
近縁の アフリカペンギン のような「ロバっぽい鳴き声」ほど極端ではありませんが、よく響く声です。
① 求愛・ペア形成
繁殖期になるとオスは大きな声で鳴き、
- メスへのアピール
- つがい関係の維持
- 巣の所有の主張
を行います。
胸を張り、首を伸ばして鳴くのが特徴です。
② なわばりの主張
巣穴の周辺では、
- 「ここは自分の場所だ」
- 「近づくな」
という意味で鳴きます。
マゼランペンギンは巣穴を使うため、隣同士の距離が近く、声によるコミュニケーションが重要です。
③ 親子のコミュニケーション
繁殖地では何万羽ものペンギンが密集します。
その中でも、
- 親はヒナの声を聞き分ける
- ヒナは親の声を覚える
ことで、迷わず再会できます。
これは「声の識別能力」が非常に高いことを示しています。
マゼランペンギンの季節別の活動
マゼランペンギン は、南半球の温帯〜亜寒帯に生息し、主に アルゼンチン・チリ・フォークランド諸島で暮らしています。
一年のサイクルは「繁殖 → 子育て → 回遊 → 換羽」の流れが基本です。
春(9〜11月頃):繁殖のスタート
この時期は繁殖シーズンの始まりです。
- 求愛(鳴き声とディスプレイ)
- ペア形成(毎年同じ相手に戻ることも多い)
- 巣穴づくり(砂地や土に掘る)
- 産卵準備
マゼランペンギンは地面に巣穴を掘るタイプで、これは同じ属の中でも特徴的です。
夏(12〜2月頃):子育てのピーク
- 産卵(通常2個)
- 抱卵(オス・メス交代)
- ヒナの孵化
- 給餌(親が魚を吐き戻して与える)
この時期は親が何度も海へ出て餌を取り、巣と海を往復します。
秋(3〜5月頃):巣立ちと独立
- ヒナの成長完了
- 巣立ち(海へ出る)
- 若鳥の独立生活開始
- 親も体力回復
この時期、若鳥は初めて本格的に海へ入り、自力で魚を捕り始めます。
冬(6〜8月頃):換羽と回遊
- 換羽(全身の羽の入れ替え)
- 陸上での絶食(約2〜4週間)
- 体力回復
- 回遊の準備・開始
換羽後は北上して回遊する個体も多く、
- ブラジル
- ウルグアイ
沿岸まで移動することもあります。

マゼランペンギンのヒナについて
マゼランペンギン(Spheniscus magellanicus)のヒナについて整理します。
1. 卵から孵化まで
- 産卵数:通常1〜2個
- 巣:岩陰や砂浜の穴、洞窟などに作る
- 抱卵期間:約 39〜42日
- 両親が交代で卵を温める
2. ヒナの特徴
- 体毛:灰色や淡い茶色の柔らかい羽毛
- 体重:孵化時は約 100g前後
- 色:目立たない色で、天敵から身を守る
3. 成長と巣立ち
- 巣立ちまで:約 9〜12週間
- 親から泳ぎ方や餌の取り方を学ぶ
- 巣立ち後は群れと一緒に海に出て、自立して餌を捕る
4. 生存率の課題
- 天敵(カラス、ネコ、ネズミ、海洋哺乳類)に狙われやすい
- 餌の量や環境条件によって生存率が変動
- ヒナ期が最も危険な時期で、親の保護が不可欠
マゼランペンギンは絶滅危惧種なの?
マゼランペンギンは生息数は安定していますが生息数が減っており絶滅危惧種になると言われています。推定個体数は1,200,000羽。以下のような原因があり個体数が減っていくと予測されています。
1. 現状
- 国際自然保護連合 (IUCN) レッドリスト:Near Threatened(準絶滅危惧 NT)
- 野生個体数は 約120万羽前後 と推定される
- 南米南端沿岸(アルゼンチン南部、チリ南部、フォークランド諸島周辺)に限定的に分布
2. 主な絶滅の脅威
- 漁業による餌の減少
- 小魚(イワシ、アンチョビなど)が減少すると繁殖率低下
- 海洋汚染・油流出事故
- 羽毛に油が付くと泳げなくなり死亡リスクが増加
- 天敵や外来種
- ネコやネズミがヒナや卵を襲う
- 気候変動
- 海流や水温の変化で餌資源が減少
3. 保護活動
- 繁殖地の保護(国立公園や保護区の整備)
- 漁業管理による餌の確保
- 油流出事故や外来種への対応

マゼランペンギンの飼育は可能なのか?
マゼランペンギンは生息数が減少傾向にあり、手に入れることは極めて困難です。水族館や動物園から譲ってもらうしか選択肢はありません。ただし人間の住む環境に適応しやすいため順応できますのでおすすめでもあります。
1. 飼育の現状
- 世界の動物園や水族館で飼育・繁殖の実績がある
- 自然環境に近い条件を整えることが前提で、専門施設での飼育が必要
- 繁殖も可能だが、自然環境と同様の管理が求められる
2. 飼育上の課題
- 水温・気温管理
- 南米南端沿岸の冷たい水温に適応しているため、プールや空調で適切に管理
- 餌の管理
- 小魚(イワシ、アンチョビなど)を中心に、栄養バランスを維持
- 繁殖の難しさ
- 岩陰や巣穴に似た環境を人工的に再現する必要
- 繁殖率は自然環境より低くなることが多い
- 絶滅危惧種であること
- 国際規制(CITESなど)があり、捕獲や移動は厳しく制限される
3. 結論
- 一般家庭での飼育は不可能
- 専門施設での飼育・繁殖も高度な環境管理が不可欠
- 野生個体の保護や生息地維持が最も重要

飼育されている動物園(日本・世界)
フンボルトペンギン と マゼランペンギン は、どちらも世界中の動物園・水族館でよく飼育されている「バンドペンギン属」の代表種です。特にフンボルトペンギンは日本で最も一般的です。
🇯🇵 日本で見られる主な施設
フンボルトペンギンが多い施設
日本では特に以下で高確率で見られます:
- 葛西臨海水族園(大規模展示)
- 名古屋港水族館
- アドベンチャーワールド
- 長崎ペンギン水族館
- 旭山動物園
- 札幌市円山動物園
- 京都水族館
👉 日本は世界でもトップクラスのフンボルトペンギン飼育国です(繁殖も多い)
🌍 世界の主な飼育施設
フンボルトペンギン
- Monterey Bay Aquarium(アメリカ)
- Lincoln Park Zoo(アメリカ)
- Chester Zoo(イギリス)
- Tierpark Berlin(ドイツ)
- Zoo Leipzig(ドイツ)
マゼランペンギン
- Punta Tombo周辺の保護施設(アルゼンチン)
- Temaikèn Zoo(アルゼンチン)
- Falkland Islandsの保護施設
- 一部の欧米動物園(繁殖個体群)



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